書籍・パンフレットの背幅を計算する
独立したガイド、更新。やり方は工房によって異なるため、数値は印刷会社に確認してください。
無線綴じ・糸綴じ(角背)の書籍やパンフレットでは、表紙が背を包み込みます。タイトルや著者名を入れる場所なので、表紙をレイアウトする前に背幅を知っておく必要があります。背幅の計算を誤ると、タイトルが背からずれたり、表紙側にはみ出したりします。
計算式
背幅(mm) = 本文ページ数 ÷ 2 × 用紙1枚の厚さ(mm)
- 1葉には2ページ(表と裏)があるため、2で割ります。
- 数えるのは本文ページだけで、表紙の4ページは含めません。
- 用紙の厚さはマイクロメートル(µm)で示されることが多く、1 mm = 1000 µmなので、120 µm = 0.12 mmです。
坪量しかわからない場合
厚さは坪量と用紙の嵩高(かさ)から求められます:
用紙1枚の厚さ(µm) = 坪量(g/m²) × 嵩高(cm³/g)
例:坪量90 g/m²、嵩高1.5の用紙の厚さは90 × 1.5 = 135 µm、つまり0.135 mmです。
坪量ごとに公表されている厚さ
以下の値はあるメーカー(Arctic Paper)の技術資料によるものです。これは目標値であり、メーカーは変更の可能性があると明記しています。実際の厚さはロットごとに数パーセント変動します。おおよその目安として使い、できれば印刷会社が実際に選んだ用紙の資料を使ってください。
| 用紙の種類(銘柄) | 80 g/m² | 90 g/m² | 115 g/m² | 130 g/m² | 150 g/m² | 170 g/m² |
|---|---|---|---|---|---|---|
| サテンコート紙(Arctic Silk+、嵩高 ≈ 0.93〜0.97) | — | — | 107 µm | 125 µm | 145 µm | 165 µm |
| マットコート紙(Arctic Matt、嵩高 ≈ 0.98〜1.01) | — | — | 113 µm | 129 µm | 150 µm | 172 µm |
| 高嵩高マットコート紙(Arctic Volume White、嵩高1.1) | — | — | 126 µm | 143 µm | 165 µm | 187 µm |
| 上質紙・非塗工(Amber Graphic、嵩高 ≈ 1.2) | 99 µm | 110 µm | — | — | — | — |
| 書籍用嵩高紙(Munken Print Cream 15、嵩高1.5) | 120 µm | 135 µm | — | — | — | — |
上質紙Amber Graphicの資料には120 g/m²で145 µm、Munken Print Cream 15の資料には100 g/m²で150 µmという値も記載されています。
重要な注意:同じ坪量でも、用紙によって厚さは大きく異なります。90 g/m²の嵩高紙(135 µm)は115 g/m²のマットコート紙(113 µm)より厚いのです。用紙の種類を知らずに坪量だけで背幅を計算してはいけません。
計算例
| 書籍 | 本文ページ数 | 用紙 | 計算 | 背幅 |
|---|---|---|---|---|
| 小説 | 200 | 嵩高紙 80 g/m²、120 µm | 200 ÷ 2 × 0.120 | 12.0 mm |
| 評論 | 300 | 上質紙 90 g/m²、110 µm | 300 ÷ 2 × 0.110 | 16.5 mm |
| カタログ | 64 | マットコート紙 115 g/m²、113 µm | 64 ÷ 2 × 0.113 | 3.6 mm |
| 写真集 | 96 | マットコート紙 150 g/m²、150 µm | 96 ÷ 2 × 0.150 | 7.2 mm |
| 論文 | 120 | 上質紙 90 g/m²、110 µm | 120 ÷ 2 × 0.110 | 6.6 mm |
計算式に含まれないもの
- 表紙:無線綴じでは、表紙(多くは250〜350 g/m²で、厚さは0.数ミリ)が両側に加わります。これを含める印刷会社もあれば、含めない会社もあります。ハードカバー(上製本)では、背は本文ブロックよりかなり広く、独自の構造になります。寸法を示せるのは印刷会社だけです。
- インク、接着剤、糸かがりや湿度によっても、厚さはわずかに増減します。
- 最小背幅:数ミリを下回ると、背に読める文字を印刷するのは難しく、無線綴じの強度も不足しがちです。受け付けられる最小の厚さと、背に文字を入れるべきかを印刷会社に尋ねてください。
正しい手順
- 印刷会社と本文用紙を決め、その厚さまたは嵩高を尋ねます。
- 計算式(または計算ツール)で背幅を計算します。
- 印刷会社に表紙テンプレートを依頼します。背の正確な幅、塗り足し、必要に応じて折り返し(袖)が示されています。
- 折り位置がわずかにずれることがあるため、背の文字は中央に配置し、両側に少なくとも1 mm(背が薄い場合はそれ以上)の余白を取ります。
出典
- Arctic Paper, Munken Print Cream 技術資料:https://preproduction.arcticpaper.com/globalassets/arcticpaper.com/documents/backup-tds-products/1-munken/en/munken-print-cream.pdf
- Arctic Paper, Arctic Matt 技術資料:https://preproduction.arcticpaper.com/globalassets/arcticpaper.com/documents/backup-tds-products/5-arctic/en/arctic-matt.pdf
- Arctic Paper, Arctic Silk+ 技術資料:https://preproduction.arcticpaper.com/globalassets/arcticpaper.com/documents/backup-tds-products/5-arctic/en/arctic-silk-plus.pdf
- Arctic Paper, Arctic Volume White:https://www.arcticpaper.com/our-products/our-brands/arctic-volume/arctic-volume-white/
- Arctic Paper, Amber Graphic 技術資料(Paper.co.uk配布):https://www.paper.co.uk/wp-content/uploads/2025/01/Amber-Graphics-Data-Sheet-11-24.pdf
よくある質問
書籍の背幅はどう計算しますか?
本文ページ数 ÷ 2 × 用紙1枚の厚さ(mm)です。例:0.12 mmの用紙で200ページなら背幅は12 mmです。
用紙の厚さはどこで調べられますか?
メーカーの技術資料(µm単位)または印刷会社で確認できます。わからない場合は、坪量に用紙の嵩高を掛けてください。
表紙の厚さも加える必要がありますか?
多くの場合、加えます。特に厚い表紙やハードカバーでは0.数ミリ程度増えます。正確な値は印刷会社が示すので、それを使ってください。
なぜページ数を2で割るのですか?
1枚の紙(1葉)には表と裏に1ページずつ、計2ページがあるからです。
この計算は100 %正確ですか?
いいえ。実際の厚さは用紙のロット、湿度、製本方法によって数パーセント変わります。表紙のテンプレートは印刷会社に確認してもらいましょう。
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